富士山さんは思春期」を読む。

去年読んで最も萌えたマンガ「猫のお寺の知恩さん」のオジロマコト氏の前作。これもめっちゃ良かった。何の変哲もない学園ラブコメなんだけど、素晴らしい画力と演出力によって描かれる富士山さん(と上場くん)が大好きになってしまう。
本作も、これといって大きなイベントは起きない。連載初回で中学生の幼馴染通しが告白して付き合うというだけ。一応終盤の中学卒業前の修学旅行中に、これまで周囲にひた隠しにしてた交際をオープンにするという変化があるけど、「耳をすませば」のように二人は幸せなまま物語も終わる。高校は恐らく進路も別れるんだろうけど、そういう葛藤とかその後は分からない。でも、楽しそうな日常が続きそうという「稲中卓球部」のようないつものノリで終わるのは爽やかで後味がよかった。
後、微エロなスポーツマン女子の日常モノという意味ではやはり「高校球児ザワさん」が凄く雰囲気が近い。どちらも大好きなマンガだ。自分の中学・高校生活と地続き感があるというか、「あー、こんな人周りにいたかも」位の距離感。政治性も経済性も物語に持ち込まれず、デートでたまたま入ってしまった本格的な喫茶店のコーヒー450円に驚いてしまう中学生男女のほほえましさ。最高。