じゃじゃ馬グルーミン★UPを読んで、すごく惹き付けられてしまう自分が恥ずかしいと思う。

じゃじゃ馬グルーミン★UP! (1) (小学館文庫)

じゃじゃ馬グルーミン★UP! (1) (小学館文庫)

競馬モノ、というジャンルで紹介されるかもしれないが、主人公・駿平の成長譚として読むほうが自然だと思う。
恋をして、のめりこめる仕事に出合い、挫折しそうにもなりながら、守るべきものが出来、成長する。
色々なエネルギーが落ちてきている自分と比べて、「こーいうのあるある」と駿平に共感し、うらやましく思う。
そういう読みをしてしまう。でも、そういう読みをしないとここまで深く響かなかったかもしれない。


牧場経営が、順風満帆に行くとは思えない。実際に物語中で何度も苦しい描写は出てくる(お隣の牧場がつぶれたりとか)。それでも、登場人物が皆幸せな生活をしているラストはすごく清々しかった。
駿平の言うように、愛がさまざまな障害を乗り越えるのか。
そんなことを口にすれば、(笑)つきの反応しか返ってこないのが現実だけど、好きな人のため、好きな仕事のために生まれる馬力というのを体感したことがない。いつだって自分のために努力してきた。
赤灯えれじいを思い出す。他者に依存することで、逆説的に自立ができる、と。
自立したいもんだ。