「尼僧ヨアンナ」を観る。

尼僧ヨアンナ [DVD]

尼僧ヨアンナ [DVD]

図書館に置いてあって、裏のジャケの画面の美しさに目を奪われて借りた一本。予想を違わず、整然とした緊張感のある画面作りと、物語から余計なエピソードをなくしキャラも舞台も絞り込んだミニマムさが印象的な映画だった。
序盤の悪魔払いをするシーンは特に美しい。神父たちの祈りがこだまする教会の中を、時に人物の目線になり、上から俯瞰する目線になりとカメラが切り替わり(動き自体はゆっくりと落ち着いて)、特殊効果も使わずに俳優の迫真の演技で盛り上げる。特にヨアンナ役のルチーナ・ヴィニエツカの顔芸はすごい。眼力すごい美人さん。
悪魔が憑依した時にブリッジしたときは、思わず「エクソシスト」の元ネタ?と思った。そのまま逆さで話し続けるとこもすごい。神父役のミエチスワフ・ウォイトも一人二役やったりしてすごいけど(頭悪いことに見てる時そのことに気付かなかった。似てるなーとは思ったけど。)、ヨアンナにかなわないな。
あと、洗濯物を干してる部屋から鳩が飛び立つシーンとかもすごく均整のとれた画面で美しい。真白な修道服が規則正しく並び、その間をまっ白のヨアンナが練り歩く。ターセムの「落下の王国」を見るような幻想的で妖しい魅力を放つ映像美。イェジー・カヴァレロヴィチ監督の他の作品も見てみたいな。