銀の匙」1・2巻を読む。

銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス)

銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス)

ほんとにマンガを読まなくなった。最近読んだなーと思い返して浮かぶのは「バーテンダー」とか「孤高の人」くらいかな。とにかく昔のマンガディグ量と比べるとかなり落ちてるな。別にマンガっていうメディア自体に飽きたわけじゃないし、読みたいマンガもちらほらあるんだが…(弐瓶勉の「シドニアの騎士」とか)。とりあえず久々に読んでて面白いなーと思ったマンガ。

なんというか、やっぱり無駄に北海道とか大自然での生活に憧れがあるなあ。第一次産業にしたって自然物を加工して経済活動する工業ではあるんだろうけど、一度も厳しい土地の辛さを味わってない甘ちゃんのサラリーマンかもしれないが、そういう生活に身を置いてみたいなぁという思いは比較的強い。ゆうきまさみ作品だと「パトレイバー」とかも好きだけど、一番は「じゃじゃ馬グルーミン★UP」だし、ずっと前の銭金でやっていた北海道の自給自足ビンボーさんとか観た時は、こんな生活いーなーと羨んだものだ。

本書の主人公の八軒も、「じゃじゃ馬」と同じく都会っ子で、勉強はできるけど人づきあいに難を抱え、自分が何をしたいのかもやもやしている。夢や目標を持ち努力する周囲に感化されて成長していくんだろうけど、そこにあこがれるんだよな。俺にしたって自分の給料で飯食い始めて数年がたつけど、俺の周囲では仕事を嫌なこと、面倒なこと、食べるために仕方なくやるもの、と考えている人はだいぶ多い。
もちろん実際に自然を相手にする仕事だっていい加減でサボろうとする人もたくさんいるんだろうけど、本書でも「じゃじゃ馬」でも、「こんな競走馬を作りたい」「こんな経営をしていきたい」という目標に向かって努力して生きている人達が魅力的に描かれているので、こういう環境で仕事できればなあ、と思う。

資格の勉強を奨励しといて、「どうせ実務じゃ役立たねえよ」「現実はそううまくいかねえよ」と思考停止している職場のクズみたいな先輩方は、いくら給料高くても人間としてほんとにカッコわるく見える。仕事してると体力が落ちるっていう生活もなんだかなーと思うし。生活時間の中でジム行ったり特別な時間を割くんじゃなくて、仕事で汗かいて、新鮮な食べ物食べて飲んで、しなやかな身体を作れたらなーと思う。そういう気持ちにさせるマンガだ。