「生きる技術は名作に学べ」を読む。

生きる技術は名作に学べ (ソフトバンク新書)

生きる技術は名作に学べ (ソフトバンク新書)

いつも読んでるブロガー「空中キャンプ」さんの単著。この人の文章はとにかく柔らかくて読みやすい。ブログでは映画評が多いが、この本では、「誰もがタイトルは知ってるけど意外と読んだことのない名作海外文学」を著者自身の人生におけるさまざまな体験を織り交ぜながら、タイトル通り「生きる上での技術」をこんな形で学べた、という紹介になっている。読んだことのある本とない本が半々くらいだったけど、どちらも十分楽しめた。町山智浩が言ってたと思うが、「映画は人生の予行練習」という感覚に近い読み方かも。まぁ、かと言って、本作を読んで「あらすじだけかいつまんで知りたい」って人には一生小説の楽しみ方なんてわからないとは思うけどね。教養として身につけておきたい、って人には小説、ひいては文章自体を噛み締めて味わう「体験」がないから、薄っぺらくなってしまう。
読んでみたら違う観点で作品に対して感想を持つかもしれないし、著者に共感できるかもしれないけど、本作で紹介されている作品に触れてみたいと思わせてくれる、非常に良い批評文だった。