「JUNO」を観る。

飛行機の中で鑑賞。面白かった。結構ヒットしたらしいし、前から見てみたかった作品だが、ポップな作りでかわいらしい。エレン・ペイジ演じるジュノは小生意気なしゃべり方で可愛い。全然美人じゃなくて、体系も幼児体型で背も低く、服装もかなりラフ。元軍人の父と再婚した継母と腹違いの妹に囲まれて、ボーイフレンドもいて仲のいい友達もいて、やたら昔のホラー映画とか初期パンクを愛しながらそれなりに楽しく暮らしている。チアリーダー的な人気者でもなく、かといってゴスとかの文科系でもない、ほんとにその辺にいそうなアメリカの女の子という感じがして好感度高い。そして、そんな普通の女の子が、自分のお腹に宿した子供を代理母として出産し、親権をお金持ちのカップルに移すというあまり普通っぽくないことを実現してしまうのが面白い。
道徳臭い映画にしようと思ったら、ジュノは次第に大きくなる我が子に愛着を持ち、子供を手放すことを惜しんで自分で育てる、という方向になりそうなものだが、本作はジュノ本人のナレーションで言う通り、「生んだ瞬間には私の子じゃなくて代理母の子なんだって思った」という位あっけらかんと自分の子を譲り渡し、身軽になってから改めて子供の父親の少年と恋愛を楽しむという離れ業をやっている。子供産んでから、二人で初々しくギターを弾くラストシーンなんて、順番が逆だろ!みたいなことを言われそうな気もするが、恋愛と生殖行為は全然別の次元にあるんだなぁと感じさせるいいシーンだと思う。