さまよう刃」(韓国版)を映画館にて観る。

もともとは東野圭吾原作で日本でも映画化されてたらしいけど、そちらは小説映画ともに未見。まあまあ面白かった。
中学生の娘を持つシングルファザーの父親が、少年たちに愛する娘をレイプされ殺害されたことをきっかけに、警察も当てにせず自分の手で復讐していく物語。加害者の少年たちがまたビジュアル的にも不良とも言いづらいパッとしないどこにでもいそうな容姿で、仲間の間で罪の擦り付け合いやったり、情けないくらいに低能・幼稚で父親の憎悪の感情にとても共感できる。中盤まではかなり引き込まれたけど、終盤になるにつれて、ちょっとご都合主義がすぎるかな…とやや白けてしまった。いくら警察が無能だったとしても、足を怪我して満足に歩けない猟銃を持った血まみれの中年男をいつまでも捕まえられないとは思えない。加害者もそうだけど、復讐者の父親も全く後先考えない衝動的な犯行なので、たくさんの証拠品を現場に残し、初期から既に容疑者としてマークされているのだ。ケータイも逆探知されて居所もわかっているのに、クライマックスの白昼堂々、街中で加害者の少年に猟銃の狙いを定める父親とそれに対峙する警察と怯える加害者少年、なんてドラマチックな絵面になる可能性なんてほとんどないように思える。一応、この場面こそがキモで、父親は自分の手で加害者少年にとどめを刺すより、衆目の目に晒して(写メとかでみんな現場を撮ってる)忘れさせないという復讐を選ぶことになるんだが、ちょっと現実感がないなーと感じてしまった。あと、錯覚とはいえ死んだ娘が視界に表れてしまうというのはちょっと頂けなかった。あの場面見て、父親も復讐半ばで天に召されたかと思ったよ(笑)。
とはいえ、ハラハラドキドキ感はかなり持続するし、父親役の役者さんも絶望にひしがれる役が非常にうまくて楽しめる。一緒に観た友人の話だと、現代の日本ではとても許可が下りないような撮影技術を使って撮られてるそうで、韓国映画のクオリティの高さも感じることが出来る。オヌヌメ