「世界が日本に夢中なワケ」を読む。

世界が日本に夢中なワケ

世界が日本に夢中なワケ

タイトルは最近のバラエティにありがちな日本賛美みたいな感じで最悪だけど(you)は何しに日本へ?みたいな)、面白い一冊。フロリダから来日した青年、ボビー・ジュード氏による異文化コミュニケーションにまつわるあるあるを日本語で記した本。you tubeで英語学習関連の動画を見ているうちに彼の動画に出会い、他愛もない主張に惹かれ、本も読んでみた。

まず、著者と自分はほぼ同世代だが、著者の日本語学習能力の高さに感服する。自分にとってのアメリカ英語の難易度は、著者にとっても日本語の学習難易度とほぼイコールになるんじゃないかと思うけど、彼の日本語は10年弱ではっきり言って平均的な日本人より日本語の能力は高いと思う。漢字、かな、カナ交じり文を難なく読めるし(日本人の感覚からすると「わかりにくくてごめんね」という感じだが、著者にとってはこの3種類が意味の違いが識別できるのでかえってわかりやすいとのこと)、動画を見ている限りもかなり流暢な日本語だ。確かに日本に住んでいるというアドバンテージはあるにせよ、恐らく彼の域に到達することが出来る非日本語ネイティブは少ないんじゃないだろうか。「I love you」を「星が綺麗ですね」と訳すような漱石フリークは非ネイディブだとドナルド・キーンとか日本文学者くらいだろうし、漢字の編とかまでボビーが知っているのははるかに自分の日本語能力の上をいっている。羨ましいし、どのように語学を学んだか話してみたいなーと思う位だ。
本書では「彼女の『どこ』が好き?」と聞かれて、そのまま直訳で「場所」を伝えるため「顔とかお尻かな」と答えてしまうことをいなしめるようなハイレベルな日本語の使い方が記されているので、恐らく日本語を学習中の人にとっては難しいだろうけど、日本語ネイティブからすると学ぶべき点が多くて楽しめる。日本語ってこういう読み方も出来るんだなぁという発見とか(土砂降り≒ドしゃぶり、みたいな)。彼に見習って今年中にある程度英語力は形にしたいなぁ。