ミスター・ノーバディ」を観る。

ジャレット・レト主演。ジャレットの少年時代を演じるトビー・レグボ君が塩顔中性的イケメンでモテそう。「生まれる前の女神さまの手違いで『忘れない』という能力を持った設定」の男の、些細なきっかけで人生が「バタフライ・エフェクト」的に、系統樹的に広がっていく人生の分岐を描くというSFちっくな意欲作。たぶん、2,3回繰り返して観た方が各人生の整理がつきやすくなると思う。最終的に100歳を超えて老衰で死のうとしている現在の主人公に至るまで、大まかに幼いころの両親の離婚がきっかけで母についていくか父についていくかが2パターンに別れ、結婚相手の女の子が3パターン別れてそれぞれゴールが異なっていく。さらに、恐らく「どの分岐にも当てはまらずに落ち込んでしまったパターン」と思わしき変な世界(人々が皆アーガイルチェックの服を着ている)に時々投げ込まれたり、別のゴールの主人公から別のゴールの主人公とコンタクトをとったり、より複雑にSFちっくに分岐が絡まりあうのがポイント。金持ちそうだけど嘘だらけの人生だったり、貧乏そうだけど最愛の女性と結婚できたりとか、ジャレットが風貌も色んなパターンに演じ分けていて面白い。
本作も別に特別なにかためになる要素はないんだけど、自分の人生の分岐と照らし合わせて考えてみるとちょっとセンチな気分になる。