ガタカ」を観る。

正直、期待外れ。近未来、遺伝子によって人類の能力差が顕著になってきた時代に、何も手を加えない遺伝子的に自然な青年が、事故によって足が不自由になった遺伝子的に優勢な人間になりすまして宇宙飛行士になろうという話。
なんでこの作品がSFの名作扱いされてるのか分からないが、観終わった感想としてはSF要素よりもサスペンス要素が強かった感じ。本作は地上世界で、いかに遺伝子的に劣る青年が優勢な遺伝子の人間として「なりすま」せるか、やり過ごすかに物語の大半の焦点が当たってるので、正直つまらない。別にそれが悪いわけではないが、個人的には楽しみづらかった。映像的なレベルで言えば最高潮に美しく、さながらターセムの映画を見てるような「塵一つない世界観」。せっかくなら、宇宙空間でドラマティックな映像を観てみたいと思ってしまうが、宇宙に飛び立つところで物語が終わってしまう。同じ遺伝子の優勢・劣勢を扱った作品なら「狂四郎2030」の方がはるかに面白いと思う。