クリード チャンプを継ぐ男」を観る。

なんか「ザ・アメリカ」って感じの映画を観たくなって観てみた。ロッキーシリーズの最新作で、引退したロッキーがかつてのライバル、アポロの息子アドニスのトレーナーとなり世界のランカーに挑戦する話。鶏を追い回すシーンとか、かつてのロッキーの映像が挟み込まれたり往年のファンも楽しめるので良かったんだけど、一作目の高揚感はなかったかなーという感じ。
脚本があまりイケてなくて盛り上がりどころを活かせてないと感じる場面が多かった。例えば、アドニスが自己流でボクシングをやってた最初の登場シーンから既に体がバキバキに出来上がってて、イマイチ「トレーニングで強くなった」感がないこと。同じく、進研ゼミみたいに「試合で観る相手の動き、トレーニングの成果で見えるようになった!」的な要素がなく、ロッキーのトレーナーとしての力がイマイチわかりづらいこと。そして色々不自然に感じるのが、アドニスは家がめちゃくちゃ金持ちでいい企業務めて出世もしており、ボクシングなんてする理由がないのに急に自分の生活をかなぐり捨てて強くなろうとするのに、強くなるためのメソッドをロッキーに全面的に委ねているところ。そしてアドニスはイケメンで金持ちなのに、かつての同僚・友人・恋人といった人間関係の影が一切しない(劇中に登場してこない)こと。あと、ラストの試合前にアドニスは急に便意を催したらしくロッキーに頼み込んで用意していたグローブを外すんだが、特にその後説明もないのでこのエピソードとか何の意味があったのかイマイチわからんかったり。こういう違和感が気になって物語に集中できなかった。
ただ、試合のシーンはすごく良い。最後の試合も両者の入場シーンからの長回しでホントの試合の実況やってるみたく肉と肉がぶつかり血と汗が吹き飛ぶシーンはリアル。アドニス役のマイケル・B・ジョーダン君、体作りも含めて良く頑張ったなぁと。