「20 センチュリー・ウーマン」を観る。

マイクミルズ監督作。前に観たサム・サッカーと比較すると、またしても女親より小さい男子が主人公という共通点在り。1979年という激動の年、アメリカはカリフォルニア州サンタバーバラ(俺の直近の思い出だと、鮎川ナオミさんの「新発見アメリカ旅」が思い浮かぶ土地)で、高齢出産した片親の母から、ちょっと思春期の男子の扱い方が分からんから子育て手伝ってくんない?と相談され色んなタイプの女性に面倒を見てもらう15歳の男子がちょっと成長して大人になっていくというお話。
例によってマイクミルズの個人的な体験や周囲の人がモデルになっており、悪いキャラが全く出てこない牧歌的な雰囲気でゆるーく物語は進行する。ド田舎ではないんだけど郊外感のある景色にレコードで聴く当時のパンクやニューウェーブなんかの音楽がいい味出てて良かった。ヒッピー上がりの同居人の男性がヨガやったり、女子たちがフェミニズムにかぶれてたりするのも時代を感じて良い。あと、この年代の男子の成長を描くのに学校の描写が全くなかったことも逆に面白かった(学校をサボる、という描写はあるんだけど、学校での友達や先生との触れあいが全く描かれない)。自分としてはこの年代に一番刺激を受けて成長したと思える人間関係って、中学の友人や先輩・後輩だったけど、大分事情が異なる。
主人公の男子は今後成長したら物凄く美少年になりそうな黒髪の綺麗な男子だった。背が伸びたらエズラ・ミラーみたいになりそう。あとは何といってもエル・ファニングが生意気な感じでエロくて最高だった。15歳の男子の前で下着一丁になって、「あんたは仲良すぎるからセックスなんて考えられない」とか、横に寝てるのに触らせてくれないとか拷問に等しいけど、「男なんて…」みたいにタバコをふかす姿が最高にチャーミングだった。