ザ・ウォーク」を観る。

凄く面白かった。空中キャンプ氏が褒めてたのを覚えてていつか観たいなーと思っていた作品。話はシンプルで、今はなきNYのワールドトレードセンタービルが工事完成しようとしている1973年に、二つの建物の間(42メートル位あるらしい)を命綱も付けずに無断で綱渡りした男の実話もの。ロバゼメ監督主演で、主演はジョセフ・ゴードン・レヴィット。フランス出身の大道芸人で、あまり感じなかったが、フランス語訛りの英語をうまく演じてるらしい。さらに、綱渡りもほとんどスタントなしで自分で演じきったらしい。すげぇ。後、彼女役のシャルロット・ルボンという人がめちゃめちゃ美人だった。フランス語と英語に堪能なカナダ美女。
正直、綱渡りするだけの映画で2時間も持たせるかねー、と思ってたんだが、これが不思議と全く飽きる時間がない。作戦決行までの下準備からしてかなりヒヤヒヤもんだし、色んな役割を持ったチームによる協力で主人公の作戦を後押ししていく。余計なドラマティックな脚色はせず、かなり事実に正確に描いてるみたいだが、練りに練った計画も当日のハプニングで少しづつずれていくし、それを何とか機転を利かせて対処していくスリルがかなり面白い。まるでオーシャンズ11を見てるような感じ。そして、肝心の綱渡りシーンのリアルさ。高所恐怖症の人には正しく玉ヒュン動画で、観ていて足の裏とかに変な汗かいてしまった。それでも、人生で最も濃密な時間なんだろうな、死ぬ前に彼はこの瞬間を思い出すんだろうなと思ってこういう貴重な体験を出来る人と能力を羨ましく思った。実行しても一円も儲からないし、誰かの役に立つわけでもない。それどころか、ほとんどの人にとって気が狂ってるとしか言えない、一歩間違えれば間違いなく死ぬし、もしくは逮捕されることが免れない犯罪を通してクーデターを起こすという、歴史的な偉業。
後、どうしても同時多発テロ以降の映画ということで、劇中でそれをどう扱うのかっていうのは結構期待していたんだけど特に描かれなくてちょっと肩透かしだった。