本作の監督、キャスリン・ビグローの「デトロイト」が話題になっていたことで本作に興味が湧いて観てみた。ちょっと長いけど面白かった。ビンラディン暗殺作戦という実話を基に構成した物語。冒頭から同時多発テロ被害者たちによる最後の肉声が流されるというアメリカ人なら強烈な憎しみを引き起こすであろう演出で、世界各国で物議を醸した問題作でもある。
作戦結構までの前フリが長い。その慎重を期す作戦上層部との軋轢やや同僚の犠牲などの長い時間が主人公を苛立たせる演出になっていると言えばそうなんだけど、ちょっと間延びしてしまった感はある。ただ、ラスト1時間にわたる最強舞台ネイビーシールズによる作戦決行はリアルタイムでその場を録画した映像を観ているようでめちゃくちゃスリリングだった。
最初は頼りなげだった主人公が段々鬼気迫る表情に変わっていくのは役者の実力か。事件の規模は全く違うが、「凶悪」で殺事件の犯人を追う妻夫木聡演じる記者を思い出した。