「ハルモヤさん」を読む。

大人気作家まんしゅうきつこ氏の著作。絵柄はヘタウマで可愛くて笑えるんだけど、結構身につまされる話で面白かった。熊谷市の図書館で嘱託の司書として働く実家暮らしの30歳の未婚女性の日常をペーソスたっぷりに描き出す。
一応仕事をこなしつつも自堕落で冴えない日常を送るハルモヤさんに凄く共感出来てしまって辛い。ちょっとした外出する時に自分でもダサいと思いつつもダサい服のまま外出しちゃったり、休日何もやることなくてほとんど寝てたりとか、決して人に迷惑をかけてるわけでもなく全うに働いているのに、人と関わったり努力して何かを得ようとする意志の力がとても弱い、めんどくさがりな人間性に(特に30歳超えてからだろうか)共感しまくり。そんなハルモヤさんの周囲の同僚や友人もやっぱりイケてない人が多くて、笑えるんだけど同時に哀しいという。変に霊感あって落ち武者に迫られるというエピソードとか面白かった。
後、司書の給料が手取り11万円しかないとか、実家暮らしでないと生活が成り立たないという玄ぢ的な貧困のリアルさも描いており、意外と社会派な要素もポイント。