シチズンフォー スノーデンの暴露」を観る。

何となく最近は自分的にビジネス感度が高いので、娯楽映画よりもドキュメンタリー映画観たいなーと思って観てみた。面白かった。構成の仕方とか音の使い方が上手くて、確かに下手なホラー映画よりスリリング。もう5年前になるが、アメリカのNSA(の委託先?)で働いていたエドワード・スノーデンという青年が大企業の協力も取り付けて国民のあらゆる生活にまつわる情報(当時はあんまり聞かなかった気がするけど、ビッグデータだよね、要するに)を収集している事実を暴露した事件のドキュメンタリー。
事件当時は何か色々とニュースで騒いでるなぁと思った印象はあるけど、平和ボケしていてそれほど危機感を持ってもいなかった。でも、改めてこんな「1984」とか「マトリックス」みたいな監視社会が実際に実行されてるんだなぁとこの作品を観て納得した。フーコーの生権力の概念通り、現代社会に生きる人間として逃れようがない権力の方向に従って「生かされ」ているというね。
映像では表現されていないけど、ちょっとwikiとかで調べると、スノーデンが共和党支持のリバタリアンであるという経歴を知ってなんか納得した。暴露当時29歳で政府の要職につき、年20万ドル以上というかなりの高給(とはいってもアメリカの富豪たちと比べるとそこまで大したことないけど)を得ながらも、自由を信じて地位や名誉だけでなく、国籍や家族までもかなぐり捨てて告発に至ったという経緯は素直に凄すぎて尊敬する。自分の顔出しについても「告発したい内容がブレたくない」と相当しぶっていて、決してアンチ権力のヒーローになりたかったとかでもなく、それこそ殺されでもしないように顔出しした、という経緯とかも知れて面白かった。告発に至るまでのジャーナリストとのコンタクト方法や亡命までの手続きのスマートさなど、本当に優秀な人なんだろうなという。今はロシアで結構悠々自適に過ごしているみたいだけど、その能力を何かに役立ててみたらもっといいのになぁなんて思ったり。それとも、凡人が測り知らないダークウェブみたいな世界でハッカーと繋がったりして色んな動きをしてたりするんだろうか。完全な妄想だけど。