ちょっと色々あった。早いとこ決着をつけなくてはならん。

やっと読了。やっぱり思い出すのは柔道部物語なんだけど、どっちが面白いかと言われると結構難しいと思う。これはロトの紋章ダイの大冒険を比べるような楽しさでもあるんだが、総合的に見て俺は帯ギュの方が面白いんじゃないかと思った。いくつか部分的に記すとすれば、この作品の特色でも爽やかさ。ニューウェーブ柔道とかいう触れ込みで売ってたらしいけど、団体戦メンバー個人個人にエピソードがあって爽やかな部活の風景を描いていく。そしてこれは本当に俺の中にある変な憧れを呼び出してしまう。「こんな青春がしたかった」という奴で、目標に向けて仲間と一丸となって、お互いが阿吽の呼吸で理解し合えるような濃密な時間をすごすもの。これってやっぱり学校を出て自立したら個人個人フィールドが大きく違っていくし、「部活」という空間じゃないとなかなか生み出しにくい関係性だと思う。スラムダンクやH2を読んでてもそうなる。実際はもっとすれ違いもあるだろうしスポーツやってて栄光つかめるのなんて一握りの人間なわけだけど、自分にない能力として身体能力の優れた人に対する絶対的な憧れがある。巧の背負い投げの早さなんて俺には全くアクセスできない領域なのであって(フィクションだからというなら古賀稔彦でもいいけど)またそれをお互いに共感できるチームメイトがいたら、本当にそれは貴重な経験だと思う。今までやってきたスポーツで、俺は必死になってどうしたら強くなれるか試行錯誤しても大した成果もでずいつも脇役にしかなれず、それを認めるのも出来なくて頑張ることを放棄していった。巧と保奈美の関係は健全な高校生同士らしいリアリティを感じないし、ギャグも一部を除いてほとんど笑えないんだけど、茂や巧が個人戦に出ず団体戦でみんなと勝とうとするその関係がとても羨ましい。特に最後の試合は相手が全員坊主で五対五ってこともあってかスラムダンクの山王戦がすごく重なった。俺でなんとかしなきゃ、とか俺がダメでも次があるとか、そういうコミュニケーションして見たかったなぁ。多分もう無理なのだ。仕事でそういうコミュニケーションとれる様な体育会系の仕事は実際やったらきついだろうし、何より食うためにやるのとではモチベーションが全然違ってくる。全体を見てもライバルたちもそれぞれ技を持ってて、無駄な脇役選手のエピソードとかもあったと思うけど話をうまくまとめていけたんじゃないかと思う。そういった点で柔道部物語は負けてる。三五や先輩たちとのコミュニケーションは確かに読んでて男子校的なノリも楽しめるんだけど、俺がアホなのか後輩たちは殆ど名前と顔が一致しなくなるくらい思い入れが減ってしまった。キャラで人気を取れなきゃ連載ものとしてはかなり問題だろう。試合の緊張感や演出については柔道部のほうがやや上かも知れんけど(そういった意味で井上雄彦の演出力とかシグルイの山口とかはマンガ表現のある極限に達してると思う)、その分斉藤とかが技の解説してくれるし、絵もちょっと線が細いけど初めから終わりまで安定してて総合的に帯ギュの方が良かった。しかしモンキーターンも同じように安定してるしこの人のマンガは大きくぶれずに安心して読める。そしてそのお約束感を大事にしたままとめはねっ!も青年誌で描いてるわけだが、せっかく新しい媒体なんだから使える表現を広げてもう少し違った趣向の物語を見てみたいなーとも思う。

五年生(5) (アフタヌーンKC)

五年生(5) (アフタヌーンKC)

げんしけんや四年生が俺の中で大ヒットしたわけだけど、ちょっと五年生は消化不良の感もあったかなー。相変わらず今の俺に近い環境の人間を描いてるからか共感しやすい作りなんだけど、ひとつひとつのエピソードがかなりリアルですばらしい。会話とか、キャラの目線のやり方だけでその場の雰囲気を描いていくさまは映画的にも見える(人のセックスを笑うなとか)。ただ、キャラが皆駆け引きがうまいというか真っ直ぐな人がいないのが逆にリアルじゃなくしてる気がする。浮気相手の奥さんが包丁突きつけるシーンとかはさすがにないだろ。落ち着いてあーいうことするより日ごろ障害を持つ子を抱えて心優しくなっておろおろしてるだけみたいなおばちゃんの方がリアルなんじゃないだろうか。最後のほうのなんとなくまた二人がくっついちゃいそうなところはまたちょっとリアルなんだが。なんと言うか、やっぱり惰性の力は強いとしみじみ思う。

昨日はココスに行ってハンバーグ食べ、一昨日は池袋の焼肉屋行ってたらふく食べた。お金がどんどんなくなる…