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- 作者: あずまきよひこ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2003/08/27
- メディア: コミック
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一方よつばは、現在とーちゃんを始めとするやや暖かいコミュニティーの中で遊び、学んでいる状況にある。やや暖かいというのは、隣人の家に毎日行っても迎えてくれ、保護者が在宅ワーカーでその友人が割りと頻繁に遊んでくれるというような「なくはないかもしれないがあまりなさそう」なコミュニティーだ。固有名詞や時事ネタが出るような空間ではないが、それだけが作品のリアリティを担保する要素ではないと思うし、平坦ではあるが一定のリアルさで毎日違う日を描き続けている。
今7巻まで読んだんだけど、その中でやんだは結構重要なキャラだと思う。ちょっと同族嫌悪の感もあるけど、今後よつばは自分が嫌いと思うやんだのような人間と付き合っていく作法を学ぶことが求められる。まだ作中にはいないけど、もっとレベルを上げると自分を無視して相手にしないような人間ともだ。幼稚園や保育園にいってないから集団行動をしたことがないだろうけど、来年には小学生になるしそういった人間と共生していかなくてはならない。そして、描かれるかどうかは分からないけど、恐らくはよつばは敬語も使える「普通の子」になっていくのだろう。
となると作品はどこで語られるのを終えるかが気になるが、やはり出自に関する問題を通過して成長の跡を記して終わっていくのだろうか。だけどここに俺はちょっと引っかかる部分があって、この物語を売り物に出来る最低限のラインなのだろうけど、よつばの顔の造型をどうにかした方が質が上がると思った。よつばのアニメ的にデフォルメされた顔では外国人的かどうか、が読者に判別できない。この違和感は宗助とおばあちゃんの間で魚なのか人面魚なのか見方が変わるポニョの顔に通じる。読者にそう見せたい、あえて分からなくさせたいという意図もあるのかもしれないが、成長していくであろうよつばの顔の変化を追うためにも、もう少し違った造型をしていてほしいと思った。
まぁまだまだ終わる気配はないけど、引き続き追って行きたいマンガだ。