dickies3本目になるチャコールグレーの874をヤフオクで落とす。
でも、失敗した。ローライズじゃないとかなり好きくないシルエットだね…。
前にベージュのを買ったときにまとめて買っちゃえば良かったなあ。
やはりすげーカッコよくてタフでガンガン履ける。
グレーはぜひいいやつを買いなおしたい。

やっと映画も見始める。
まずは話題になってた「おくりびと」。

おくりびと [DVD]

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うーん、そんなにいいかなこの作品?
どの辺が受けたんだろう。手堅くまとまってるとは思うけど、ちょっとパンチ足りないというか。好みの問題だろうか。
広末はへらへらしてて気持ち悪いし、主人公のモックンも何かマンガ版では芸術家志向というか、踏ん切りがつかない「夢破れた敗者」感がもっとにじみ出てたけど、映画では能天気なアホに見える…。イケメンだが。あ、でも作中で何度もチェロを弾いてるのはすげーと思った。詳しい人が見たらまた違うんだろうけど、十分素人を騙せるくらいの技量になってると思う。

で、納棺という行為についてなんだけど、椎名桔平がやってた「化粧師」に近い時間の流れ方というか撮り方で、確かに見ていて美しいんだけど、すっごく「作り物」感を感じた。所作のひとつひとつがわざとらしくて、ほんとにそんな大げさに振る舞う必要あんの?って感じたんだけど、見終わってウィキペディア見て納得。実は納棺という行為自体は戦後になってそれまで家庭で行っていた作業を専門の業者が請け負うようになっただけで、宗教的な背景とかはほとんどないらしい。「プロっぽさ」を演出してはいるけど、特に技術体系がいるわけではないし、坊さんの唱えるお経とはわけが違うのだ。一見どっちも素人には分からないプロの仕事っぽいけど。
そー考えるとカトリックプロテスタントの関係を思わせる。カトリックは言うまでもなく教会が力をつけて政治的な発言権も金も持ち始めたところに、それを見直すプロテスタントの動きが生まれて長い宗教戦争を引き起こしていくわけだけど、その中で教会の在り方も大きく変わる。
以前はありがたい神父の言葉を地元の人が豪華けんらんな教会に集まって複雑な儀式をもって聞いてきたわけだけど、プロテスタントは聖書さえ読めばいーよということで教会は簡素になり個人個人で祈ろうぜ、という風に転換していく。
要するに納棺ってカトリック的である。複雑な化粧法や着替えの作法が見た目に美しいけど、実はなくてもかまわない。もちろん誰かがやらなきゃならない「死に触れる汚らわしい仕事」的な側面もあるだろうけど、純粋に経済的必要性からこのショーバイは生まれてるわけだ。「人を弔う」というのはそれこそ文化圏によってその作法が分かれるだろうけど、資本主義社会では生まれるのもプロの技術によって病院で生まれ、死んだ後に化粧してくれるのもプロであり、全てが金に絡めとられてると思うと改めて何となく空しくなってしまった。
本作とは全然関係ない感想だが。