やっとのことでスカイ・クロラを見る。
まあまあ面白かった。

スカイ・クロラ [DVD]

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原作は読んでないので知らないけど(どーも主人公の一人語りがうざいらしいが)押井色に完全に染まってるというか、押井監督が言いたいことを言うために原作を借りた感じがとても強い。てか、ヒロインの草薙って名前は原作でもそうなんだろうか?どーしても草薙素子を連想せずにいられないんだが…。

内容を見てみると、ビューティフルドリーマーの時みたく胡蝶の夢的な現実の認識の危うさを扱っていて、この主題にプラスして戦闘機のアクションシーンで色付けしてみましたって感じだろうか。
話自体は舞台も時代背景も結局よく分からんかった。「よく分からないけど世界では戦争が起こってて、自分たちも当事者なんだけどリアルな危機感がない」という最終兵器彼女みたいな設定なのだろうか。戦場に赴けば帰ってこない者もいるけど、実は同じような人間がまたどこからか配属されて戦争というシステム自体は回り続けるという。そして主人公が探し求めていた人物が実は以前の自分だった的な。栗山千明の役の子が劇中で語るけど、自分ってのを統合するのに記憶や経験を素材にしてもあまりしっくりこないってことだ。いつもの押井節だね。

アクション自体は「最新のCG使ってまっせ」的な実写では無理そうなカメラワークと演出が目白押しで面白いんだが(相変わらずCGらしいスムーズ過ぎる動きが気になるけど)、いかんせんそれ以外の「ドラマ」部分との接続がうまくいってないと思う。キャラは彩度を抑えた平ぺったい絵なので、目まぐるしく動く景色や戦闘機の動きとのギャップが大きい。

あと、主演の加瀬亮菊池凛子が棒読み過ぎて萎える。感情を抑えた演技とかいうよりも、抑揚のない話し方なので聞いててすごく違和感がある。俺の中で二人ともちょっとサブカル受けのいい俳優たちっていう印象があるんだけど、こういう雰囲気で売ってます的な俳優の仕事ぶりには萎えることが多い。浅野忠信とかも演技がうまいとか存在感があるとかあんま思わないしな。あ、でも座頭市の仕事ぶりは良かったかな。