カミュ「異邦人」を再読する。

異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

最初に読んだのは、確か大学入学したての頃、8年ほど前になる。今回再読してみて、大筋しか覚えていないことが驚きだった。特に印象的だったのは、ムルソーの神経質的な風景描写。冒頭の母親の葬儀をこなす際から細部に渡る人間の仕草や風景描写は、何だかアスペルガー症候群の人の手記を読んでいるような気にさせられる。そして、自分の頭で考え、嘘をつかず、意外と共感できる人物であったという。