君とボクの虹色の世界」を観る。

君とボクの虹色の世界 [DVD]

君とボクの虹色の世界 [DVD]

ミランダ・ジェライ監督作品。すっごく可愛くて面白かった。デートにも使えそうな素敵な映画。高齢者向けのタクシー運転手をしながら地元でアーティスト活動をする女性(ミランダ本人主演)を取り巻くちょっと変な人々の一喜一憂を描く物語。ちょっと雰囲気的に「アメリ」っぽい感じがあるけど、本作の方が現実的でアメリカの郊外の日常ってこんな雰囲気なのかなぁと感じる。
とにかく、ミランダの独特の世界の見方が面白い。すごく不器用で、靴屋の店員をやる男性が気になって近づこうとするのだが、どう見ても不審者っぽくて自分の姿を見ているようでイタい。彼女はすごく視点がミクロ的で、それは創作にも表れているのだが、小さな習慣がとても面白いのだ。例えば本を読んでて特定のアルファベットに丸をつけて行ったり、身の回りの写真を撮って壁に貼り付けていたり、高齢者タクシーの得意客のじいさんをビデオに撮ってたり。可愛いんだけど結構ギリギリな感じで、そのバランス感が面白い。
登場人物は同じように皆どこかしら変で、好きになった靴屋の店員は妻と離婚する最後の瞬間を子供たちの記憶に焼き付けようと、家の外に出て灯油(?)か何かを手に付けて燃やしたりするような男。
黒人と白人のミックスの子供達も、長男は可愛い顔してるんだがどうも内気で、クラスメイトの女の子にいい感じに迫られても特に反応せず、引っ越してきた隣の女の子に接近したり、次男はまだ未就学児くらいのちびっ子な癖にエロチャットとかやっている(相手が後でわかるんだがめっちゃ痛快(笑))。
長男を誘った女子二人はその父親の同僚のキモいおっさんを暇つぶしに誘惑してみたり。
結構下ネタも出てくるんだが嫌味な感じじゃなくて、どこまでも可愛い。そして、お話自体も最終的にほんわか丸く収まって見た後も気分が良い。すごく良質なエンターテイメントだった。