「21オーバー 最初の二日酔い」を観る。

期待値に対してそれよりは面白いと思える位の面白さだった。バカ映画だと高をくくっていたから、これは決して褒めてはない。でも、主人公3人のバカ21歳達と同年代で観たら、今の自分よりも結構感情移入出来て楽しめるんじゃないかなーと思う。タイトル通り、アメリカに暮らす人種もバラバラな現代21世紀の大学生のマブダチ男3人(大雑把に区分けすれば、大学をいったん退学したお調子者でトラブルメーカーの白人男と、ユダヤ系で卒業後はウォール街で金融業につく予定の真面目な白人男と、代々医者の家庭に生まれたものの医学に興味を持てず音楽に夢中のアジア系男)の、オトナになった日の一日を描く。
普通の青春映画ものとして楽しめるのはもちろん、アメリカの現代の大学生文化をのぞき見した気になって面白かった。勿論一般化できないのは当然だけど、まず21歳という年齢からクラブやパブで文句なく入れる年齢であるというのが分かっちゃいるけど新鮮な驚きだし、そういう盛り場で行われる男女間のゲーム(やれ山手線ゲームだの、せんだみつおゲームだのコールだの、といったアレ)が、アメリカでこんな感じで行われてるんだなーと思うと面白かった。結構hip hopのMVとかブラックミュージックのMVだとホームパーティのシーンが多くて、リビングではDJがイケイケなパーティチューンを流しながら、寝室で男女しけこむ奴らとか、ハッパ吸ってハイになってプールに飛び込んでやんややんや、みたいな映像が刷り込まれてて、そういうもんなんなのかなーと勝手に思ってるけど、本作もアメリカの大学生の生態について俺に偏見を植え付けてくれる素晴らしい作品となった。翌日に大事な面接を控えてるにも関わらずに酔いつぶれたアジア系男子を家まで送り届けるため、仕方なしに他の2人は様々なパーティゲームに挑んで行くんだけど、なかでも、トランプのカードを口で吸いながらリレーしていくゲームとか面白かったなぁ。ルールもすごく簡単だし、日本でもしかるべき人がやったら流行りそうな気がする。自分でやりたいとは思わんけど。
あと、なんとなく知ってはいたけど、大学の学生寮が人種・男女別に友愛クラブとかで別れてて、イマドキというか80年代の日本のラブコメマンガみたいな組織に翻弄される主人公たちも面白かった。自由主義国家アメリカ、意外と閉鎖的じゃん、みたいな。
とにかく、全編通して下品だけど笑える小ネタは多いし、コメディとしては日本に住む俺でも楽しめた。単純にバカ騒ぎするだけの映画じゃないし、何らかのシリアスな悩みを持っていた登場人物は皆基本的にハッピーエンドを迎えるし、後味も良い。難癖をつけるとしたら、タイトルの割に二日酔いに苛まれる場面がほとんどないことかな。