「自給自邸」を読む。

自給自邸―セルフビルド魂万歳 (INAX Booklet)

自給自邸―セルフビルド魂万歳 (INAX Booklet)

何となく空しい日常。最近は一時期の残業まみれの日常を脱して、何とか人間的な日常を送っている(と自分に思いこませている)が、もっと逸脱したいという思いは、どんなにぬぐっても消えることがない。「パリ、テキサス」のトラヴィスになぜ惹かれるのか。仕事も捨て、美人の妻と子供を捨て、暖かい家族関係を捨ててでも、一人でぼんやり生きていきたいという信念に共感できてしまうからなのだ。別に本作に登場する人が皆天涯孤独で、社会から隔絶して自分の家を好きなように立てている世捨て人では決してない。なんだけど、自分の必要なものを人に頼らず、なるべく自分で作る(家も、食べ物も、生きがいも)人に対する憧れが、30歳を手前にして急速に高まっている。社会を捨てたいわけではない。自分にも大切な家族はいるし、大切な友人はいる(あんま職場の人は大切な人にカウントされないのが残念だけど)。彼らとの接触を切らずに、なるべく自由に生きていく方法ってないかなーと思う。幸いなことに、嫁も子供もいないし、借金もないし、のんびりぶらぶら過ごしていきたいと思う気持ちが強い。かといって俺は「環境第一の宗教(ディープエコロジー)」信者ではないから、ジャンクフードや酒を適度に食らって生きていきたい。実現できないかなぁ。
あ、本作は自分の家を自分で建てたい人にはとてもためになると思う。窓枠の作り方、タイルの作り方、全体のデザイン方法、廃品の再利用方法など、使えそうなネタばかり。写真もお洒落なので憧れ感は高い。ちびっ子の頃、秘密基地を作ることに只ならぬ執念を燃やしたあなたにはもってこい。

あと、最近見つけたお勧めのyou tubeアカウントさん。映像がプロっぽいというか、映画のワンシーンのようなカットが観てて気持ちいい。こんなその日暮らしの生活してみてー。