ソラリスの陽のもとに」を読む。

スタニスワフ・レムの代表作。映画は大学生の時観たけど、なんか大した事件も起こらずほんわりしててなんのこっちゃ?と思った記憶がある。本作を読んでみてすっきりするかな、と思ったけど、やはり意味わからず。
地球外での知的生命体とのファーストコンタクトもの。
いや、もちろんソラリスの海という生命活動をしているけど、人類とは五感を通じた感覚も脳内の思考も認識も共有しない(というかそういった概念すら持ち合わせていないかもしれない)「圧倒的に理解不能な他者」を前に右往左往する物語なんだとは思うけど、ちょっと冗長すぎるというか散漫というか、構成に問題あるような気がする。映画の時の印象と同じで、進んでんだか戻ってんだか分からないような主人公ケルビンの苦しみは、分かるっちゃ分かるけどもっと端的に物語として構成できたんじゃないかというか。同僚とのウダウダした探り合いや喧嘩、かつての恋人との押し問答やいちゃつく余計なシーン削れば全体の半分くらいに収められる気がする。惑星ソラリスについての説明も序盤にまとめて、という形でなく随時出てくるので「ソラリスの海」に対する人間側の研究成果や理解度すら最後まで読まないと良く分からない。あまりSF的なガジェットに彩られた作品でもなく、ウダウダ悩んでばっかで認識のどんでん返しとかストーリーの盛り上がりもなく地味だし。レムの評判はとてもいいけど、これが「レムらしい」代表作と聞くと他の作品読む気なくなるなぁ。