「リトル・フォレスト 冬・春」を観る。

「夏・秋」の続編。橋本愛のちょっと強張った表情も含め、やはり映像の美しさは際立っているんだが、物語としては中途半端に感じた。てっきり「夏・秋」編の謎ときみたいな感じで観たら主人公やその母の行動に納得できるのかなと思ったけど、何か腑に落ちない感じ。
とはいえ、紹介される料理は本当に美味そうだし、つい再現したくなる魅力にあふれている。改めて観て、別に橋本愛は意識高い女性じゃなく、怠け者というくらいな自意識なのがリアルだと思った。ある程度自分でも新しい味を追求したり、思い出の母のレシピを再現しようと試行錯誤したりするんだけど、それよりも単純に食べ物を作らないと・薪を割らない生きていけないというか、生きることと食べ物を作って食べることが分かちがたく紐づいているという生活のあり方。本作のレシピを再現しようとする都市部に生活する人にありがちな、料理を「趣味」として楽しむのではなく、「生活の一部」であるという意識。けど、結果としていち子やきっこ(親友の松岡茉優)の選択した生き方も釈然としないというか、ドラマの大事な部分を大幅に省略された感じが否めなかった。「え、その男女がくっつくんかい!」みたいな。