「techno definitive」を読む。

編者は三田格野田努のコンビ。テクノと言われる音楽とその周辺の50年ほどの総論となっており、ちょっと散漫な印象だった。多分本書を手に取るのってテクノやハウスのDJが多いんじゃないかと思うけど、彼らのディスクガイドとしては全体の3割くらいしか有効でない感じ。要は7割はフロアで使えない感じ。勿論ルーツを知るとか自分の好きな音楽の周辺を知るという意味だと有意義だと思うけど。あと、表紙のabdul qadim haqqのイラストの通り、彼らがデトロイトテクノを愛しているのは周知なのでレビューが偏るのは分かるけど(大好きで情熱的な筆致と嫌いだけど歴史的に重要な盤の筆致の差が面白い。)、もっと系統樹的な図を入れるとかして流れを辿れると面白いのになーとか思った。年代別や大まかなジャンルで輪切りにして紹介していくんだけど、順番に読んでてもイマイチ流れがつかみにくいというか。あと、テクノ・ハウスで言うならレーベルごとに紹介するとかね。
とりあえず読んでて気になったディスクはメモしながらなんとなくyou tubeで聴いてたんだが、やっぱdub関連が面白いなと再認識。最近はあまり聴いてなかったけど、この音響実験の聴覚効果はトラップ全盛の今聴いても全然面白いし引き込まれるなぁと。普段のDJに組み込むのが難しいんだけど、素材としてすごく面白いのでもっと取り入れていきたいなと思う。