職業としての学問・政治 (まんがで読破 MD121)を読む。

これも地味に面白かった。現代の日本における研究職の就職の難しさと照らし合わせながら少なくとも、原著を読むの厳しいけどお手軽にエッセンスを吸収したい文系の語学ヘタレ系人間には楽しめると思う。そこまで真新しい知見はなかったんだけど、ウジウジした研究者崩れの研究者を眺める分にはリアルなドキュメンタリーになるかも。前半がウェーバーの講義の抜粋で、後半は農学科にいるうだつの上がらない大学院生の研究者が、研究か就職か色々悩んでうまくいかず、実家の八百屋を継ぐための修行のために農家に働きに出ることを決意するまでのお話。ウェーバーの話はあまり政局的な話によらず、そもそも政治とはどんな営みか、どんな人間によってどのように行われてきたかを歴史的に振り返る内容となっており、今読んでも全然古びないし、第一次世界大戦後の疲弊したドイツで行われた講義ということを考慮しても面白く読める。
残念ながら俺は研究者として生きてはいないけど、昨今の安倍自民党による、大学を実学とか言う糞に貶めて基礎研究分野を捨て去ろうとする動きは大嫌いで、職業として学問をすることの難しさと、研究者が持つ社会に対しての責任とはなんぞや?みたいなことは勝手に模索していたりする。こういうチラ裏的な駄文書きも、もしかしたら誰か読んでくれて何らかの紹介が出来たらいいなぁとか。