「羊の木」を読む。

ツタヤのマンガレンタルにて。山上みつひこといがらしみきおという面白そうな2人の共作、元受刑者が過疎化の進む小さな街で新しい生活を始め…という面白そうなプロットに惹かれて読んでみた。けど、なんだこりゃという内容。「面白そう」な雰囲気をどんどん盛り上げて唐突に終わるというか。起承転結のうち起承転までしかない物語というか。読み終わった時、もう1冊あるのかと思うくらい尻切れトンボ。徐々に街に馴染み始めた受刑者と不穏な動きや再び犯罪を犯し始めた受刑者たちの横の繋がりから何から、色んな問題が片付かないまま、数々の謎が明らかにならないまま終ってしまう。プロジェクトとして成功したのか、失敗したのかもわからないまま。黒幕のように動いていた人物についても正体が分からず。うーん、これは失敗作でしょう。元受刑者たちもスポットが辺りやすいキャラと結局どういう人間なのか触れられないキャラがいたりして微妙だし。描写レベルで見ても一般受けしにくい、かつちょっとファンシーに見えてしまういがらしみきおの絵柄も読者の間口を狭めてるように感じてしまうし。何か、「惜しい」作品。