「戦争が大嫌いな人のための 正しく学ぶ安保法制」を読む。

軍事アナリストとして確かな知識で安保法制や憲法9条などについての世間の疑問に対して回答・解説するという内容。与党・野党、官僚、メディアなど様々な立場の人間の発言に対して、実態に即して誤りを訂正したり批判しており、理性的な筆致で好感が持てるけど、自分で立てた質問に正確に回答出来ていない、ちょっとこじつけというか強引に感じる面もあった。
軍事感覚を養うために皆兵制を実施すべきだとかの意見は賛同できないけど、著者の考えに共感するところは多い。警察比例の原則とか、交戦規約の徹底とか、自衛隊は何が出来て何が出来ないか、それによって国際社会からどのように評価されているかなど勉強になった。とにかく(現状の各人の認識不足を嘆きつつも)日本の安全と平和を守るにはどうすれば良いか真摯に考えており、本書でも批判されているsealsや九条を守る会の賛同者は読んでみて損はないと思う。