マンチェスターバイザシー」を観る。

面白かったけど、意外と普通。悲しい過去を背負うダメ男が、兄貴の急死で甥っ子の管財人となり、悪戦苦闘するお話。悲しい、痛い物語という印象だったんだけど、意外とコメディタッチで面白かった。ダーティワードも結構盛りだくさん出てくる。マンチェスターとかいうタイトルからイギリスの話かと思ってたんだけど、アメリカ郊外を舞台にした、ダメ親父の再生物語。
ケイシー・アフレックが、(兄貴のモッサリイケメンであるベン・アフレックにも通じるけど)どこにでもいそうなうだつの上がらないダメ親父っぽい風貌で素晴らしい。悪気はないし、そこそこ真面目に頑張るんだけど裏目にでて家族に迷惑をかけ、最悪の事故を起こすとか。甥っ子に対しても舐められっぱなしで、でも優しくあろうと努力し、仕事でもクレームが多かったりでうんざりだけどなんとか努力して、でも上手く行かず…みたいな。こういうおじさんが地球上に生きる大半の男性だろうし、自分とも共通する部分もある。最終的に救われる、という物語でもないんだけど、なんとか頑張って甥っ子の生きる道を(本人の選択肢を残しつつ)用意し、映画の冒頭で幼い甥っ子と楽しんだ釣りの場面でラストを飾るというのは粋だった。リア充な甥っ子の壮絶なダサいバンド音源とか、おっさん主人公がダサいしかっこ悪いのに、(影があるから?)意外と女子にモテるというのも生々しくて面白かった。