「la la land」を観る。

これも年間ベスト級の大傑作。世間的な高い評価と裏腹に自分の周囲の反応が今一つという印象があったんだけど、めちゃ面白かった。全ての映画好き、夢追い人に捧げる最上級のエンターテイメント映画だと思う。ライアンゴズニング、エマ・ストーンという今を時めく華やかな主役を「セッション」でお馴染の若手デイミアン・チャゼル監督が料理する。ロサンゼルスを舞台に、モダンジャズにむちゃくちゃ拘りがあっていつかジャズライブが出来るバーを経営したいと考えているピアノ弾きの青年と、子どもの頃から映画が好きで、上京して女優になるべく色んなオーディションを受け続けながらカフェでバイトする女性の恋を描いたミュージカル映画
冒頭の二人の出会いシーンのミュージカルからして圧巻。これ、どうやって撮るねん?というような、ハイウェイを占拠して凄まじいクオリティのダンスや歌が繰り広げられて物語の幕が上がるんだけど、これだけで引き込まれる。主役の二人は正直それほど歌ウマという感じではないんだけど、かえって人間臭さが出ていて好感持てたし、相当練習したであろうダンスが素晴らしい。物語自体はそれこそ超オールドスクールな男女の出会いとラブラブ記、険悪期、そして別れまでを描いてるんだけど、全てのシーンが濃密でテンポ良く進み、飽きるということがない。ライゴズが超ダサいバンドでキーボード弾いてたり結構笑えるシーンもあるし、最後のエマのオーディションでの歌なんか(子どもの頃から大好きで、自分の人生を賭けて携わりたいと思う夢があって追いかけている人は必見。)ちょっと泣きそうになるシーンもあるし、全ての感情を余すことなく引き出してくれる。さらに過去のミュージカル映画とかからの参照も豊富で、映画好きはさらに奥行き深く楽しめる構造になっている。音楽も素晴らしくて、とくに主役二人のテーマ曲は映画中に何度も繰り返し登場するんだけど、「ある愛の詩」クラスに印象的で物哀しいフレーズで、映画観終わった後も繰り返し聴いてしまうほど心に残った。総合して、小説でもアニメでもない映画らしさが楽しめるというか、宣伝の文句通り、映画のマジックが詰まった最高の作品だ。
とりあえず今年ベストのヒロインは間違いなくエマだな。こんなに一途で表情がくるくる変わるキュートなヒロインはそういない。最高。