ハドソン川の奇跡」を観る。

amazonプライムで観たんだけど、特典映像も一緒についててそれも含めて最高だった。イーストウッド監督作品マジで外れないなぁ。2009年の極寒のNYにおいて、アクシデントから大事故に繋がるはずだった飛行機を絶妙な判断と技術でハドソン川に一人の犠牲者も出さずに不時着させた英雄が、実は客を危険な目に合わせた容疑者じゃないかと疑われるという実話を基にした映画。イーストウッドが当時の救助スタッフや車両を用意し、状況をかなり克明に再現しているらしい。主演はトム・ハンクスで、冷静で寡黙な機長を好演してる。
無駄なシーンやエピソードがほとんどなく、事故当時の緊迫感溢れる場面と自分の判断に自信を失ってナーバスな機長の場面のクロスオーバーが交互に繰り返され、ジャッジが下される公聴会で最高潮に高まるのがすごくドラマティックで良い。そして、最終的に機長の判断の正しさが証明され大団円になる気持ちよさ。ラストシーンの副機長の冗談もすごくウイットに富んでて、思わずにんまりしてしまう。実話ベース映画だと「アルゴ」に通じる素材(事件)と料理(構成や演出)の手際の良さだろうか。
特典映像では事件後の機長やその家族、元乗客たちとの交流などのドキュメンタリーが観られるんだけど、ホントに映画の再現度高いというか冷静で寡黙で真面目な機長で超カッコ良かった。色んな名言に溢れてて、「私は英雄じゃなくて、ただ仕事を全うしただけだ」とか「訓練してきたことを出しただけ」とか「機長というのは仕事じゃなく使命だ」という仕事観にも痺れる。絶対に失敗が許されない職務から、どんな不測の事態にも対応出来るように準備しておくらしく、機体は常に自分の手足の延長のように操作できる状態に訓練しておき、プライベートで奥さんと小型飛行機に乗るときでさえ、不時着するとしたらこのポイント、とか起こり得る事態を計画・準備して臨むらしい。全然立場は違うけど、システムのインフラ部分を担当している身からしたらグサグサ刺さる話で耳が痛いくらいだった。プリンスも「仕事(work)と言うな。これは恵み(blessing)だ。これは使命(calling)なんだ」とか言ってたし、こういう人にマジで最大限リスペクトしてしまう。間違いなく英雄だよ!年始からいい気分になりました。