you tubeザッピングしてて見つけたドキュメンタリー。タイトル通り、それこそ80年代初頭から始まり、ヒップホップカルチャーでビーフがどのように扱われていったかというもの。日本語字幕付きで助かった。
やっぱりというか、ビーフの意味がすごく変容していく様を描いていたのは自分の認識にも近いというか、納得感があった。KRS one VS Juiceとか、West coast VS East coastとかNas VS Jay-Zとか50 cent VS Ja ruleとか時代を彩るビーフに特にスポットを当て、当人たちがどのような意図でゲームに参加していたかを探る。結果として、初期はディスに対してアンサーを返してお互いを発奮させるというか友好的に解釈して回っていた業界が、どんどんストリート上がりのチンピラが取り巻きにつくにつれて暴力的になり、音楽業界のスジの通し方からギャングのスジの通し方へと変遷していくという悲しい経緯が語られていく。初期のある種WWEのようなプロレス的、ショー的な要素が抜け落ち、本気でディス相手が嫌いでただ単に攻撃し、銃撃戦も厭わないという凶悪な文化になりつつあると。ビーフ相手と和解することなく、相手が死ぬまで攻撃するというのはアートとは言えないよなーと悲しくなる内容だった。結構好きだったmobb deepもtrue lifeという同時録音したクルーを始め、結構周囲に迷惑をかけた挙句開き直って人種差別的な言動を含ませながら周囲を馬鹿にしてたり、ちょっと見損なった。
内容的にちょっと物足りないのは、やはり黒人ラッパー達が主役になってしまう点だろうか。eminemは何度も映像にオーバーラップしたりサイプレス・ヒルとかはインタビューにも出演していたけど、実際のビーフとしては焦点があたらず少々残念。もうすこし人種間のビーフとか取り上げたらより多角的にビーフを扱えて面白くなったんじゃないかなーと思った。