アメリカン・ビューティー」を観る。

なるほど、良くできてるなぁと感心。タイトルはバラの品種らしい。アメリカの平凡な中流核家族が、お互いの持つ様々な問題と葛藤しすれ違い、崩壊する様を描いたブラックコメディ。徹底して皮肉な笑いの演出が冴えており、見てて何回か笑えた。登場人物たちが例外なく皆それぞれに問題を抱えており、特に主人公のケビン・スペイシーが一目ぼれしちゃう高校生のいけ好かない美少女ですら仮面をつけて生きていたことが分かる場面は秀逸だった。冒頭からバッドエンドの予感をさせるけど、一歩間違えれば彼らは「リトル・ミス・サンシャイン」のように家族の絆を確かめられたかも知れないのに…、という後味の悪いラストが良い。「リトル・ミス・サンシャイン」のお父さんのように、やたら上昇志向が強く負けず嫌いで惨めな現在の自分が堪えられない的なキャラが本作のお母さんと瓜二つ。サム・メンデスは「ロード・トゥ・パーディション」が大好きだったのだけど、このデビュー作もマジでレベル高いな。