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「湯を沸かすほどの熱い愛」を観る。

これも正直がっかり。各種の映画賞を受賞していたりする一方で、色んなレビューで「気色悪い」という意見も上がってる問題作。気色悪いというのは確かにそうなんだけど、それ以前にやはり「難病もの」物語の感動の押しつけ感、作りもの感が強く出ていて見てて萎えてしまった。似た構造の映画で言えば、「死ぬまでにしたい１０のこと」や「レスラー」とかの方が遥かにリアリティがあって惹きこまれるし、リアリティによって登場人物たちのダメさ加減も愛せるようになるのだが、本作ではハリボテ感溢れる演出でエキセントリックな登場人物たちが強引で幼稚な行動に付き合わされるので興ざめしてしまった。主役の宮沢りえやオダギリジョーは監督の求める演技に恐らくかなり高いレベルで仕事出来ていると思うのだが、監督がヘボくて作品としては低レベルになってしまっている感じ。監督にしても色んな小ネタを入れようとしたり、ラストシーンも要所要所に伏線を張って物語を盛り上げた結果の上手い演出だなぁとは思うんだけど、残念。結構突拍子もなく子供に重要なイベントを無理強いしてみたりする割りに宮沢りえが気丈で優しい母として描かれ過ぎているので、リアリティを出すために、主人公の宮沢りえも浮気してみる、とかしてもいいのにと思った。