boichidr.stone」を読む。

以前から青年誌でちらほら見かけていた、「孤高の人」や「イノサン」で有名な坂本眞一みたいな超絶技巧の絵を描く人がいるなぁと気になっていたboichi氏。「このマンガがすごい!」でも表彰されていた一作で、ジャンプで連載していることもあってきちんと絵柄は少年誌タッチになっており、しかも分かりやすい少年たちの冒険や成長物語となっているが、そんじょそこらの粗製乱造したワンピースやナルトくずれみたいなマンガに全くなっていないのが素晴らしい。
舞台は人類が突如石化して3700年後が経った後の地球で、ジャンルとしてはきちんとSFしており、科学考証の高さが超面白い。主人公はめちゃくちゃ口が悪い科学少年で喧嘩が全然強くないという、とてもジャンプに珍しいパターンなのだが、「星を継ぐもの」みたいな硬派SF路線でもなく、お勉強チックにもならず、相変わらずハイレベルな画力で見事なアクションシーンも多く、ギャグ絵も満載でワチャワチャしており冒険活劇として違和感なく大人でも読めるのが凄い。テンポよく物語進むのも良い。
実際、少年の頃にこれ読んだら「LAMPO」とか「王ドロボウjing」みたいな衝撃受けただろうなと思う。boichi氏は他にも「オリジン」等連載を抱えており、マジで化け物かと思う。