「SEは死滅する 技術者に未来はあるか編」を読む。

titterでいっつもIT業界に文句タラタラなおっさん、というイメージがあった木村氏の著作を読んでみた。結局、本作でも客観的なデータは全くなく、参考文献もなく、ただただ自分の経験を基に一方的なIT業界への叱咤が続くという気色悪い内容となっている。荻上チキ史を見習って、もっと業界の動向を白書的に編纂して(それこそ彼が推進しているビッグデータ的に)すれば自説をもっと確かなものに出来る気がするんだけど、彼自身は全くデータや四季報すら用いない、一方的な印象論に基づいて書き散らすストロングスタイルである。現場にいる人間として、言ってることは確かに的を得ている部分はあるんだけど、これだけ雑な放言だとさすがに首をひねらずを得ない。彼にとって持論の構築に有効なのは、CIOとか経営者との対談だけらしい。データなんて知ったこっちゃねぇ。旧態依然とした人月商売で稼ぐ保守的な企業のIT部門をぶっ壊せ、COBOLみたいな死んだ技術の保守を辞めてもっとIoTとかクラウド活用してウォーターウォールの多重請負開発を辞めてwebシステムをアジャイルで作り直せみたいなことしか言わない。全体的な流れはそうなるだろうけど、彼自身の「俺を信じろ!」みたいなアジテートがうるさすぎて気色悪い。冷静に統計に基づいた議論ならもっと説得力あると思うんだけどなぁ。