「電話・睡眠・音楽」を読む。

表題作をネットで読んで「完全にガロの世界やんけ!」と衝撃を受けた著者の初単行本。ひょんなことから図書カードを入手したこともあり、久々にマンガを新品で買ってみた。現代が舞台の話は面白かった。他はあんまりピンと来なかった…。
やはり最高なのは表題作。アラサー女性が夜渋谷の小箱に出かけて音楽を楽しんで帰るというそれだけの話なんだが、細かい仕草や服の着方とかで淡く人物を表現しており、渋い。特に擬音や効果線・漫符などの表現を使っていないのに、真っ暗なクラブ(organ barに初めて行った時、まんまで感動した)で音楽に没入する感覚がこれほど巧みに表現されたマンガは他にないのではなかろうか。クラブ明けの朝の気だるい渋谷の風景描写も凄く丁寧で良い。この作品だも読む価値あり。