「ドラフト・デイ」を観る。

ビジネスがらみの映画観たいなーと思って観た。めちゃアメリカ感満載で楽しい。NFLの弱小チームのGMを務める主人公が、チームのオーナー、自分のチームの監督、ライバルのGM、売り込みをかける選手、果ては自分の家族等の様々なステークホルダーの間で複雑に交錯する権謀術数に板挟みになりながら、運命のドラフト日で仕事をこなす姿を描いた作品。主演は家ヴィン・コスナー。
アメフト映画だけど、全く試合シーンが出てこないという完全ビジネス映画。全く分からんけど、往年の名選手が本人役で出演してたり、アメフトファンならより楽しめる内容となっている。一部、NFLの広告映画でしかない、とかご都合主義的に全てうまくいくラストとか出来すぎとか批判もされてるみたいだけど、ドラフトでの駆け引きとか出し抜く高揚感とか映画的で良い。アメフトに関する知識は「アイシールド21」を少し読んだことある位しかないけど、ルールとかドラフトの仕組みを知らなくても楽しめる。何か想像以上にゲーム性が高いというか、GMたちは欲しい選手のリストや補強したいポジションと勘案しながらお互いの指名権をトレードしていたりと、ドラフト自体が一つの競技みたいだなぁと思った。
それにしてもほぼアメリカとその経済圏にいる国位でしか普及していないし、こんなに怪我の多い危険なスポーツがここまで盛り上がるというのは恐れ入る。アメリカのフィジカルエリートたちはまずアメフトに挑戦し、次にバスケや野球を目指すというスポーツ産業の構造もなかなか理屈で納得しづらい。ファンたちも温度差は勿論あるのだろうけど超熱狂的。本作の舞台がクリーブランドなんだけど、「うちには青い空も広い海もない、あるのはスポーツチームだ」みたいに、街ぐるみで応援していて、ドラフトでミスろうものならファンにぶっ殺されそうな雰囲気だったりするのだ。継続したスポーツチームの応援に熱狂したことがない人生だけど、知らない世界で楽しそうだなぁとも感じる。