会計関係の知識をつけたい思いで読了。
「一秒で分かる」云々は最初のとっかかりくらいで、全体の構成としては会計の知識を使って日本の財政状況を民間の会社に見立てて分析したものや、買収した、された会社はどういった狙いでそれらの行動を起こしたのかを解き明かしていく,というもの。それほど濃い内容ではないが、分かりやすくてよかった。
最近は自分と他者との関係を考えるような哲学よりはこういった社会の動きを分析する技術の方が面白く感じるなー。それと同時にやっぱり情報工学のような勉強が自分にそれほど合ってないってことも分かってきちゃったしな。やってて知的好奇心をくすぐられないから楽しくないし。高校生で五ヶ月で五つの言語覚えたって子がプログラミングの賞を取ってるニュースを見たけど、あーいう風には絶対になれんだろうな。
基本的に著者は市場原理を尊重していて、「売り上げは会社と社会の接点である」という指摘なんかは当たり前かもしれないけど納得した。投機的なカネの使い方もあるけど、サービスを買ってくれる人と売る人はやはり金を媒介にしないと流通させることが出来ないわけで、自己満足の表現活動がそのまま市場で売り物になるような思想家やアーティストは凄いと思う。ただ客も飽きっぽいから市場に媚びない姿勢は不安定ではあると思うけど、言いたいこと言える立場を築けた人はやはり凄い。
やはりあんま関係ない話が多くなってしまうが、著者の目の付け所はとりあえずマネしてみていいんじゃないだろうか。ROEよりROAを重視しろ!とか、短期的な負債を抱えてる会社はヤバい!とかは今後会社の状態を見る上で一つの尺度にはなると思う。あと、感じてはいたけど日本って国が財政的にガタガタってことがよく分かった。今年も100兆円くらい国債発行するんだっけ?無借金経営は程遠いね。経営が苦しくなったらサービス内容より先に内部の業務を切りつけめろと書いてあるけどその通りだよなー。省益だけを考え天下り先を確保した官僚が出世するシステムを全廃していかないとムダがなくならないよな。医療、年金、農業とかほとんど現状でシステムが破状してるみたいだし、金の流れを変えん事には綺麗ごと唱えても何も変わらんよね。世界政府みたいなとこが日本買収して日産のカルロス・ゴーンなみにムダを切りつめてくれんだろうか。じゃないとリアルにどっか移住したくなるわ。国民年金も払いたくねーしなー。