本谷有希子乱暴と待機」を読む。

乱暴と待機 (ダ・ヴィンチブックス)

乱暴と待機 (ダ・ヴィンチブックス)

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」と変わらず、人間の嫌な面を絞り出した膿みのようなやり取りをこれでもかと言わんばかりに提供してくる作家さんだなぁ。
本書に出てくる4人の登場人物は誰にも共感できるが、共感したくない。
特に気持ち悪いのは奈々瀬の一人称による章で、人の目を気にしすぎるあまり逆に自分のことしか考えられない(そう突っ込まれる)哀れな人間の思考を丹念に追っており、自分に少なからず自覚症状があるだけに直視するのが辛い。特に相手との会話の腰を折らないために失禁するくだりとか(さすがにそれは自分にはないが)、笑えるようで笑えない。
そしてそういう断れない、人に嫌な思いをさせるのが極度に苦手な人間って、結局2度もあずさの彼氏を寝取ってしまうという結果になり、周りを皆傷つけていくんだよねぇ。
しかし、愛情よりも憎しみの方が繋がりを強く持てるっていう言い回しが出てくるけど、そんなもんだろうか…。
プライベートで、自分を非常に嫌っている人との仲を考える。

自宅レコードから発掘した一品。

Remain in Light

Remain in Light

ここ最近ほとんど遠ざかっていたtalking heads。いや、やっぱりこのアルバムだけじゃないけどかっこいいな。ちょっと前のchick chick chickとかを思い起こさせるけど、やっぱりこっちは本格的に黒い。アフリカ的なワンコードで曲をどこまでも引っ張っていける力に改めて驚く。
こういうのをDJに盛り込んでいきたいなー。