「ネットとライブで自分の曲を売る方法」を読む。

面白かった。音楽を好きになって意識的にdigするようになってから早15年ほど。最近は自分の仕事を続けていくことへの意欲が減退してきていて、好きな音楽に携われる仕事ないかなーとか漠然と考えている時間が多くなってきていて、つい手に取って読んでみた。
直接自分が音楽を作り出す立場の人間ではないけど、2010年代の今、音楽を作ることが生活の一部となり得ている人にとってはとても面白いんじゃないかと思う。レコードの売り上げが世界的に上昇しているのは事実だろうし、音楽を好きな人、聴く人がが減ったとは思わないけど、ジャンルを問わず産業としてやせ細っていることは確かだと思う。数十年前まで世界を股にかけるツアーを行い、旅先のホテルで酒池肉林を繰り返してきたようなロックバンドは今の世界にいないんじゃなかろうか。本書は、文字通りネットとライブを自分の音楽を聴いてくれる人間によりダイレクトに届け、かつ自分の音楽活動を少しでも経済面で潤すためのハウツーがたくさん書かれている。SNSを使い、動画配信を使い、ライブDVDを販売し、自作のサウンドシステムをライブ会場に持ち込み、CDやTシャツを作って売り、音楽著作権の基礎をつけ、プロモーションの仕方を考える。真新しい手法は特にないけど、これらを複合的に組み合わせて自分の音楽を聴いてくれる人を増やせれば、少しでも音楽と共に生きていくことが出来るかもしれない。平日はほとんど自分の時間を取れない、SEとして干からびたような生活を送ってる自分からするとすごく魅力的に映ってしまうんだよな…。