アデル、ブルーは熱い色」を観る。

アデル、ブルーは熱い色 [DVD]

アデル、ブルーは熱い色 [DVD]

面白かった。バンド・デシネが原作らしい。人と人が出会い、愛し合い、別れるまでを描いた映画。濃厚なセックス描写があると聞いて、ワクテカしながら観てたんだけど、なんとDVD版ではカットされてるらしい。残念。
ドキュメンタリーちっくなカメラというか、自然体で生々しい人間の表情や風景を淡々と撮っていく映像が気持ち良い。アデルは何かぼーっとして口が半開きのことが多く、友達といてもデートに誘われた男子といても何考えてんだかよくわからない子だなーという印象だったが、エマと出会い、徐々に表情が生き生きとしてきたというか、締め付けられるほど彼女にのめりこんでいく姿が切ない。育ってきた家庭環境も受けてきた教育も周囲の友人も異なるふたりは段々と噛み合わなくなり、不安から職場の同僚の男と寝てしまったアデルをエマが糾弾し、断罪することで関係は一度終わってしまう。泣きわめきながら「お願いだから捨てないで」というアデル。何とか日々の生活は成り立たせるもその後しばらく経ってからも眼は憂いを帯びたままで、少女から大人になっていくアデルの姿を見ることができる。何の変哲もない恋の終りだけど、とても綺麗にまとめられていて楽しめた。