「ありがちな女じゃない」を読む。

ミランダ・ジェライが絶賛し、山崎まどか氏の訳でもあるということで読んでみた。んー、ちょっと散漫・冗長。レナ・ダナムはNYのブルックリン出身の芸術家一家に生まれた自分と同い年の女性で、観たことないけど映画の監督・脚本・主演を出来る才能の持主らしい。本書はそんな彼女が「性」とか「仕事」とか「身体」とかの章立てで自分の経験をもとに語り下ろすという感じの生々しいエッセイ。自分の家族は元より、近しい人なら本書に登場する人物が誰か特定するのも容易なくらい暴露本でもあるみたいだ。面白さとしては共感を軸にしている要素が強くて、あるあるネタが分からないと厳しい気がする。あと、シットコムから古典文学まで色んな作品を直喩で使うんだけど、その辺の予備知識がないとたぶん本作の軽妙というか明け透けな語り口を堪能できないような気がする(勿論、訳者による注釈はあるんだけど)。自意識過剰で聡明で浮き沈みの激しい、「ライ麦畑でつかまえて」のホールデンみたいな感じが好きな人なら勧められるかも。