「さよなら歌舞伎町」を観る。

染谷将太前田敦子主演だけど、出演シーンもそれほど多くなく、脇役がとても豪華。特に、イ・ウンウ演じる母国・韓国でブティックを開くことを夢見るホテトル譲役がセクシーでかつ切ない笑顔が印象的ですごく良かった。歌舞伎町のうらぶれたラブホテルのとある一日に起こる様々な出来事を複数の登場人物の視点で描く群像劇。
物語はちょっと偶然にしては出来すぎだろと思うようなことも多くてリアリティはちょっと薄いけど(同じ日にAV女優の妹と、音楽での成功を夢見る自分の彼女がレコード会社のお偉いさんへの枕営業のために自分の働くラブホに来るなんてねぇ…)、気の抜けたビールのような生温い日常感の撮り方は美味いなぁと思う。主役の二人が自転車で二人乗りしながら駅(高田馬場?)の前を走る姿を長回しで追う冒頭のシーンとかも、二人の会話から朝の慌ただしい東京の感じみたいな空気感がリアルで良かった。さりげなく東日本大震災みたいなつい最近の現実の出来事を物語に取りこんでるところも良い。最近めっきり減ったメディアミックス作品でもなく、アイドル主演作なのにキラキラ感もないけど、良作。