「21世紀を生きのびるためのドキュメンタリー映画カタログ」を読む。

大学生の頃から「ザ・ノンフィクション」(最近だと中年アイドルヲタのきよちゃん回とか神回)とか「NONFIX」とか下手な映画観るより好きだったし、たまーにドキュメンタリー映画と呼ばれるような作品も見るので本作も読んでみた。面白く読めた。その名の通り、2010年代の日本で作られたドキュメンタリー映画作品を数々の文化人がお勧めするというもの。テーマは様々で、東日本大震災、民主主義、マイノリティ、女性、マイノリティなんかと多岐にわたる。「サウダーヂ」や「cokpit」のようにhip hop関連で知っていたものもあるがほとんどはタイトルも知らず、本作を読んで観てみたい作品はとても増えた。編集された映像に「真実」なんか存在しない、とか撮る側と撮られる側とは、とか対象との距離とカメラを向けることの暴力性、みたいな典型的なドキュメンタリー論もあるのだが、常にカメラと共に人生がある人達の業とでも言おうか、例えば3.11の瞬間も家具が崩れ揺れ動くさまを克明に画面に収めていたり、「監督失格」という作品のカメラを回し続けた中で切り取られた、監督も意図しなかったであろう強烈なラストなど、自分の生きた証を刻んでいるようで感慨深い思いを抱いた。本作に収録されているもののうち、「高江 標的の村」とかはyou tubeでも観れて、心打たれる。