「これはペンです」を読む。

初の円城塔作品。タイトル作を含め、中編2本を収録。2本とも起承転結のような物語や筋はなく、かなり思弁的というか物語を物語るとはどういうことか?について物語るみたいなメタフィクショナルな内容だった。タイトル作は文章自動生成プログラムを作成した叔父と理系の大学生である姪の往復書簡によるやり取りを描いているんだけど、文字を刻んだ磁石文字を刻んだ磁石とか電子顕微鏡で見ないと読めないような手紙とか読み取るのにめちゃくちゃ手間のかかる形式によって意味を伝達するやり取りで、コミュニケーションの難しさとかそーゆーことを感じるけど、脳科学情報工学的な知識も足らず、うまく飲み込めた感じがしない。結局謎めいた叔父の正体も良くわからないままで物語も終わるし。面白そうな気配なんだけど良くわからない、もうちょっと経験値挙げてから読んでみようかなーという思い。