「ラーメンを科学する」を読む。

著者は「サイエンスライター」を自称しているようだが、思ったより科学的でなかった。「うま味」や「加水率」や「かん水」や「無化調」ってなんやねん?みたいなラーメン本によく登場する用語の改めての定義を確認したり、なぜかラーメンをすするときの音「ずるずる」というオノマトペに注目してみたりとかするんだけど、基本は専門家に話を聞いて適当にリアクションしながらその内容をとりとめもなく書き連ねるだけ。「国民食のうまさの正体」とか表紙に書いてはあるけど、全く巧さの法則性を突き詰めようみたいな科学的なアプローチはほとんどなし。まぁ、その分あっさり軽く読める内容にはなっているけど。
特に印象に残ったのは、コーヒープリンラーメンはおいしいか?って話。味覚の5大要素を全て満たせるコーヒープリンラーメンだが、どう考えても不味いという。人間は5大要素のうち2つ位が高い料理をうまく感じるらしいってのは面白いと思った。あと、全然ラーメンに関係ないけど、オノマトペの項目で紹介されていたブーバ/キキ効果というもの。文化圏や性別、年齢によらず、音の響きと形をリンクさせる力が人間にあるらしい。言われてみると確かに、という感じがしていいトリビアだった。