「ノー・エスケープ 自由への国境」を観る。

ゼロ・グラビティ」のスタッフが作ったとあって気になって観てみたけど、ちょっとあっさりしすぎかなという感じ。乾いた砂漠のむせかえるような描写は写実的だし、不法移民を扱った社会性もあってつまらなくはないけど、展開は分かりやすいしあまり大きな盛り上がりもなく印象に残り辛い。メキシコからアメリカに移民しようとする集団を自警団気取りの糞アメリカ人のおっさんが銃と狂犬で襲うというもの。主演はガエル・ガルシア・ベルナルで、砂にまみれた汚いキャップが似合うメキシコ人男子を好演。プロデューサーとしてアルロンス・キュアロン。正体不明の敵に襲われる、という点でスピルバーグの「激突」にちょっと近いかな。
全体的に雑というか作りが甘いなと感じたのがアクションシーンだろうか。脇役が犬に追いかけられて抵抗することもなくあっさり殺されちゃったり、主人公がサボテンだらけの場所で犬を倒すシーンとかもちょっと嘘臭さを感じてしまう演出が多かった。主人公にしても敵役にしてもいまいちキャラが掴みづらく、人間的な深みがあまり感じられないし。敵役のおっさんが水のようにガブガブ酒をストレートで飲んでるとことかはちょっとリアルだなぁと思ったけど。